この26歳の青年は銅像に扮してのパフォーマンスが人気を呼んで
いた大道芸人で、メキシコ中を旅しながら人通りの多い広場などで芸をしていまし
た。
モンテレイ(Monterrey)
市へやってきた彼は警察官に「許可証を見せろ」と言われました。
彼は許可証を持っていなかったので、
警察署へ連れて行かれました。しかし、
警察官は彼に許可証の手続きをさせるためではなく袖の下を要求す
る為に連行したのです。
宇宙のカウボーイ姿に扮していた彼はテレビの注意を引きました。Youtubeでは彼のVaquero Galactico(銀河のカウボーイの意)の映像を見ることができます。
彼は大道芸人らしく、警察署でもテレビカメラの前でも自分の芸を演
じました。
当時のテレビ関係者達は彼に同情する気持ちを示していました。
番組の中では「
警察は真面目な仕事人を警察署へ連れていくぐらいなら、
とっとと犯罪者達を捕まえて欲しいものだ」「
真面目に仕事をする気持ちを持った人に許可証を与えてやったらど
うでしょう」「
袖の下を払うことを拒否した理由で若者が警察に虐められているで
しょう」などの発言が見られました。
その後、この青年は住んでいた部屋へ帰り、事件は一件落着と思われました。が、数日後、彼と他の二人の男性が三台のパトカーに連れて行かれ、その後二度と姿を見せることがありませんでした。
息子が逮捕されたと聞いた彼の両親は心配して、メキシコ市から飛行機でモンテレイ市へ飛んでいきました。
モンテレイ市に着いた彼の両親は警察署に出向きましたが、担当者は調書さえ取ろうとはしませんでした。ピストルをちらつかせ、息子を連れて行ったパトカーのナンバーを記そうとはしないのでした。
結局、別件で逮捕された警官の証言によってVaquero Galacticoが確かに警官に連れ去られたことが分かりましたが、それまでに彼の両親は何回もモンテレイ市へ無駄足を運んだのです。
当局にはやる気がありません。原因はいくつかあります。一つは、自分にとって都合の悪い事件は調べたくないこと。もう一つは彼らが仕事らしい仕事をやったことがないということです。
不安と悲しみで一杯のVaquero Galacticoの両親がモンテレイ市を訪れる時、彼らはグスターボ カスタニェダ・プエンテス(Gustavo Castañeda Puentes)の両親から元気をもらいます。Gustavo君とVaquero Galacticoは同じ時に同じ警官に拉致されたことが明らかになっています。Gustavo君の家族とVaquero Galacticoの家族は互いに励まし合っています。
「正義と尊厳の為の平和運動(MOVIMIENTO POR LA PAZ CON JUSTICIA Y DIGNIDAD)」が登場した時、Vaquero Galacticoの両親はこの運動に参加し、
悲しみに暮れている他の多くの家族と出会いました。
「正義と尊厳の為の平和運動」
は何度もモンテレイ市へプレッシャーを掛けに行っています。
Vaquero GalacticoとGustavo君の家族の戦いは続いていま
す。また他の被害者の戦いも続いています。
加害者はこの二件を見る限り、暴力集団に限りません。
暴力集団は警官や軍人などと手を組んでいるのです。
http://youtu.be/MumRf8zBx2Y