Introduction

「Movimiento por la Paz con Justicia y Dignidad - 正義と尊厳ある平和のための運動」とは、メキシコで、政府と麻薬組織との間で行われている麻薬戦争に対して、疑問を持つ市民の運動で、2006年にフェリペ・カルデロン大統領が、麻薬マフィアに対する強硬な対応を開始して以来、5万人近い人々が麻薬戦争絡みの暴力によって命を落としていることへの関心を呼び起こすためのものです。

この運動は、最初、ジャーナリストであった自分の息子をマフィアの手で殺害された詩人ハビエル・シシリアの呼びかけで、2011年5月に、モレロス州クエルナバカ市を出発し、同年5月8日メキシコシティのソカロ(憲法広場)にいたる最初のデモを行い、マフィアに対してメキシコ政府が行っている対策の見直しと、オープンな対話の実現を要求しました。

これは、麻薬組織への強硬な対策の見直しと、この麻薬戦争が、もはや、いままで政府が説明していたような単なるマフィア間の抗争ではなく、多くの一般市民が巻き添えとして殺害、誘拐、拉致されているという事実を、政府やメディアが直視し、従来、マフィアがらみの案件と見なされて正当に執行されていなかったこれらの事件に対する正当な司法の遂行を要求するものでした。また、現在、メキシコ政府が可決しようとしている、軍隊により強い権限を持たせ、礼状なしの家宅捜査や逮捕などをも可能にする内容の治安維持法にも反対しています。

この運動は、すでに状況に危機感を持っていた多くの人権団体や市民たちから支持を得たこともあり、政府はこの訴えを受け入れ、2011年6月23日に、チャプルテペック城にて平和についての対談が行われました。

また、6月には『慰めの行進』というメキシコ北部地区へのキャラバンが行われ、ここで多くの被害者家族の証言により、当初考えられていた以上に、一般市民に被害が広がっていることが明確になりました。さらに、9月にメキシコ南部にもキャラバンを送り、中米からの移民にも虐殺などの多くの被害者が出ていることに対して、中米の人たちに対しての謝罪をおこないました。

私たち「メキシコに平和をグローバル・ネットワーク」は、外国在住のメキシコ人が、この運動を応援するために自発的に作ったグループです。

日本のグループからの呼びかけで、各国で在住メキシコ人が、平和のための千羽鶴をその国の人たちと協力して作ることで、メキシコに連帯を表明し、被害者家族の人たちに共感すると共に、このメキシコの問題に対しての理解を広める運動をしています。

この千羽鶴の運動は、現在、フランス、スペイン、スイス、ドイツ、米国、カナダ、オランダなどで広がっており、これらの国々で作られた3千羽に及ぶ千羽鶴を、10月末に広島の平和公園に届ける予定になっています。

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